憲法改正発議研究会 ~ 憲法改正発議問題に関して全国各地で現に代表的論者として発言している弁護士が合同結集した研究グループ ~ |
憲法改正発議の提言 |
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提 言 1
<理由> 1.平成26年12月の衆議院議員選挙及び平成28年7月の参議院議員選挙は憲法改正の是非を争点として行なわれ、その結果、国会は両院とも改憲を容認する議員が3分の2を占める状態になりました。 この国会としては、衆議院議員の任期が満了する平成30年12月までに憲法改正の発議を行うべき、国民に対する責務があると考えられます。 2.その平成30年12月までに国民投票を実施するとすれば、その期限内の同年11月3日を国民投票の日とするのが最適です。平成30年11月3日はその72年前に現憲法が公布された記念の日です。 国会が平成30年11月3日を国民投票の日とするためには、遅くともその数か月前の平成30年度通常国会の会期末までに、国会として憲法改正の発議をしなければなりません。 3.国会が憲法改正の発議をすることは、わが国憲政史上初めてのことです。国会がその発議のために憲法改正原案を審議する期間は少なくとも6か月ないし10か月は必要であると考えられます。そうであれば、まず衆議院は平成29年秋の臨時国会の会期の劈頭に改正原案の審議に着手しなければなりません。 そこで我々は、衆議院議員を擁する各政党に対し、その合意にかかる改正原案を策定のうえ、同案を平成29年秋の臨時国会の会期劈頭に衆議院へ提出することを要請します。各政党はそのための改正原案をすみやかに合意し、提案者を定め、衆議院議員100名の賛同者を備えたうえで、国会法第68条の2による提案の方式を取ることが適切であると考えられます。 4.上記のようにして提出されるべき改正原案は、憲政史上初めて国民投票に付されるものであり、その国民投票の方式は改正案ごとに国民1人が1票を投ずることとされていることに鑑みますと、改正原案の条項数はせいぜい5項目程度にしぼらざるを得ないものと考えられます。 第一に、その改正項目が憲法規定としてどの程度必要であるか、第二に、投票者である国民の要望がどこにあるか、第三に、投票によって国論がまとまることが可能か、を総合的に考慮してその改正対象項目を選べば、それは、①自衛隊の保持を認める条項、②緊急事態に対処する内閣の権限を認める条項、③無償の高等教育の機会を保障する条項、④参議院議員の選挙区定数に特則を設ける条項、⑤自然環境の保全を目標とする条項、⑥家族の保護を目標とする条項の6項目になると考えます。 5.衆議院及び参議院の憲法審査会においては、今回の憲法改正発議の対象としては、最大において上記の6項目にしぼられるべきことを確認する必要があると考えます。 |
<理由> 1.現行憲法の法文の上では、わが国の行政組織上すべての戦力の保持が禁止されていましたが、わが国は昭和29年7月から現在まで63年余にわたって、「我が国の平和と独立を守り、国の安全を保つため、我が国を防衛することを主たる任務とする自衛隊」を保持して来ました。このことは国会で制定された自衛隊法という法律の第3条第1項において定められ、この方式はこの63年間、この間の政権の移動にも影響を受けることなく維持されて来ました。この自衛隊がわが国の根本的法規範として有効に存在しているとの確信は、現在の国民大多数に共通のものであると考えられます。 そして今日、上記の自衛隊は国際法の上では国防軍であると理解されます。 2.したがって、上記の趣旨の自衛隊条項を憲法典上に明文をもって新設することは当然であると考えます。 その場合の法文の形式は、「陸海空軍、その他の戦力はこれを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。」との現行憲法第9条第2項を削除し、これに代えて「我が国の平和と独立を守り、国の安全を保つため、国防軍を保持する。」とするのが適切です。 |
提 言 3
<理由> 1.今回の憲法改正手続きにおいては、前述のとおり、実際の手続上可能な範囲として、改正対象の条項数は前記の自衛隊条項以外では、数項目に限定されることになるはずです。 その場合の具体的な対象項目は最大でも以下の5項目であると考えられます。 改正原案は国民投票の手続きにおいて具体的な法文をもって示されることになるはずですので、以下にはその5項目について具体的法文形式とその憲法典上の位置を示すことにします。 なお、その法文案の仮名遣いは現行憲法典に合わせて、歴史的仮名遣いとします。 2.緊急事態に対処する内閣の権限を認める条項について 第八章の二、第95条の2(緊急事態)として次のとおり定めます。これは現行の災害対策基本法第105条、第106条、第109条に準拠するものです。 「①外部からの武力攻撃、内乱、大規模テロ、大規模自然災害、その他緊急事態が発生し、かつ、当該事態が国の秩序及び公共の福祉に重大な影響を及ぼすべき異常激甚なものである場合において、特別の必要があると認めるときは、内閣は、国会の事前又は事後の承認のもとに、関係地域の全部又は一部について緊急事態の布告をすることができる。 ②緊急事態が布告された場合には、危機を克服するため、やむを得ない必要の範囲で、内閣は法律に代はる政令を定め、又、緊急財政処分を行ふことができる。 ③前項の政令および緊急財政処分について、内閣は、速やかに国会の承認を経なければならない。この承認が得られなかつたときは、内閣はその布告を廃止しなければならない。」 3.無償の高等教育の機会を保障する条項について 第26条の2(高等教育を受ける機会の保障)として次のとおり定めます。これは現行の経済的社会的及び文化的権利に関する国際規約第13条第2項⒞⒠と同一の趣旨です。日本は昭和54年に同規約を批准しています。 「①国は、国民がその適性に応じて無償で高等教育を受ける機会を、保障する。 ②教育又は学術研究の事業に対する公金の助成については、法律でこれを定めることができる。」 4.参議院議員の選挙区定数に特則を設ける条項について 第43条第3項(参議院議員選挙区の議員定数)として次のとおり定めます。これは最高裁判所平成24年10月17日大法廷判決の判旨にもとづくものです。 「参議院議員選挙において各選挙区に配分される議員定数は、人口比率にかかはらず、単位とする行政区画一つに少なくとも一名をあてることができる。」 5.自然環境の保全を目標とする条項について 第25条の2(自然環境の保全)として次のとおり定めます。これは現行の環境基本法第3条第1項と同一の趣旨です。 「自然環境は、すべての人が健全で豊かな環境の恵沢を享受することを基本として、将来にわたつて適切に保全されなければならない。」 6.家族の保護を目標とする条項について 第24条の2(家族に対する保護)として次のとおり定めます。これは現行の市民的及び政治的権利に関する国際規約第23条1項、並びに経済的社会的権利及び文化的権利に関する国際規約第10条1項と同一の趣旨です。日本は昭和54年に同条約を批准しています。 「①家族は、社会の自然かつ基礎的な単位であり、社会及び国による保護を受ける権利を有する。 ②国は、家族に対し、家族の形成のために、又、扶養児童の養育と教育のために、できる限り広範な保護と援助を 与へなければならない。」 7.衆議院議員を擁する各政党は、上記5項目の中からさらに共通認識にかかる必要項目を選定し、上記表現を参考としてその法文について合意されたく要望します。 |
研究会会員名簿 秋山昭八 〒105-0003 東京都港区西新橋1-21-8 弁護士ビル308 秋山法律事務所 電話03-3503-8647 FAX03-3503-8649 内田 智 〒1002-0073 東京都千代田区九段北4-2-2 桜ビル8階 内田智法律事務所 電話03-5357-1401 FAX03-5357-1402 内野経一郎 〒102-0073 東京都千代田区九段北4-1-5 市ヶ谷法曹ビル505 東京第一法律事務所 電話03-3230-4041 FAX03-3230-4050
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