第4 専有部分

 

9  排水管はどの部分が専有部分なのでしょうか。

 

1.共用部分と専有部分

  マンションの建物は、区分所有権の対象となる専有部分と、それ以外の部分に区別されます。専有部分以外の部分が共用部分と呼ばれています。共用部分は全区分所有者が共有しています。管理組合は、この共用部分を全区分所有者から管理することの委任を受けて、実際の管理をするのです。

  専有部分については、個々の区分所有者が所有者として管理の全権を持ちます。ですから特定の専有部分に起因する事故があったときは、とうぜんにその専有部分を所有する区分所有者が単独で責任を負うことになります。

  共用部分と専有部分の境界については、そのマンションの管理規約でどう定められているかによって決まります。

 

  2.排水管についての専有部分

  排水管の専有部分については、ふつうは以下に図示するように決められています。この図は、福岡市内のローレルハイツ南福岡の管理規約の中のものです。

 トイレ 排水管

 

 流し排水管

 

  3.排水管の中途が建物躯体に没しているとき

 排水管

  

  上図のように室内排水管が室内の床を通った後、①同階の横の躯体へ入るという場合と、②床下のスラブを通って下階の天井裏を経由して、下階横の躯体へ入るという場合があります。このいずれの場合も、排水管が躯体又はスラブに入る所が、専有部分と共用部分の境界だと考えられます。

  このような場合の専有部分と共用部分の境界は、そのマンションの管理規約で具体的に明示されているときは、その内容どおりですが、明示されていないときは、一般には上記のように解釈されています。



目次のページへもどる